フレイルの専門家によるフレイル予防コラム#003

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フレイル予防|70代,80代,90代シニアライフ&シニアファッション通販ショップ「アトランダム」 ついでにはじめる新習慣

年齢が高くなるとともに、また身体機能が低下するとともに転倒しやすくなる。転倒が問題なのはそれによって起こる骨折や外傷により、健康が障害されることであり、また転倒による恐怖感の発生により外出機会が減少し、身体のみならず、精神的、社会的健康もおかされることである。

従って、定期的に転倒リスクの評価をし、転倒しないための備えが重要となる。

■転倒が起こりやすくなる原因

☑視覚の問題(視力低下)
☑前庭機能の問題(めまいやバランス機能の障害が起こる)
☑感覚機能の問題(末梢神経障害など)
☑筋力や関節の問題(筋力や姿勢など)

その他にも、脳卒中や心臓病、パーキンソン症候群なども転倒リスクを増加させ、低血糖を誘発する薬剤もリスクとなる。また、過去1年間に転倒したかどうかも転倒リスクの評価の上では重要である。

ここでは主に、筋力の低下(サルコペニア)、関節の変形や疼痛、関節可動域の低下(ロコモ)の重要性を強調しておきたい。
それらは中年期からの生活習慣が大きく関わっており、特に筋力の維持のためには平時から運動習慣(有酸素運動、筋力トレーニング)および適切な食習慣が重要である。

■バランス力のセルフチェック

*5回椅子から立ち上がる。
1)高さ40cm程度の椅子を用意する
2)椅子に座った状態から立つ・座るを5回繰り返す
その時間が12秒以上かかったの場合、バランス力低下のリスクがあります
※関節に痛みがある場合にはこのチェックはおやめください。

*片足立ち
1)目を開けたまま片足で15秒以上立ち続ける
2)反対の足で同様に15秒立ち続ける
左右ができない場合、バランス力低下のリスクがあります
※関節に痛みがある場合にはこのチェックはおやめください。

この2つのチェックに加えて、過去1年間の転倒歴がなければ、転倒しにくいといえる。
どれかに該当する場合には、かかりつけ医に相談が必要である。

■正しい姿勢のセルフチェック

まずは現状の姿勢を把握する。ただし、ご自身で鏡を見て確認すると無意識に姿勢を正してしまうので、ご家族や友人に客観的な意見をいただくことが重要。
正しい姿勢を癖付けして転倒リスクを減らしましょう。

文・監修:荒井 秀典

国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典(Hidenori Arai)

<略歴>国立長寿医療研究センター 理事長。日本老年学会 理事長。日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事。J-MINT研究代表を務める。
著書/『フレイルのみかた』中外医学社出版、『40歳からの健康年表 (文春新書)』文藝春秋出版、『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方 かんたん体操&栄養知識でいつまでも歩けるカラダに!』河出書房新社出版 など他多数


■注意点■
☑本企画は、専門家の監修のもと編集をしていますが、実践して体調悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。
☑このコーナーでご紹介するのは、あくまでセルフチェックです。痛みや違和感がある場合は、自己判断せずお近くの専門医にご相談ください。

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