国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典先生が執筆するフレイル予防コラム。
第5回は、便秘症に着目しました。便秘症は認知症のリスクになるというデータもあるようです。
腸からはじめる健康生活について教えていただきました。
便秘でお悩みの方は多いのではないでしょうか?
便秘で悩む方は、年齢が高くなればなるほど増えていき、また特に女性に多い悩みだと思います。
便秘症は便秘じゃない人に比べて、認知症になりやすいというデータもあります。また、糖尿病やパーキンソン病とも関係しているなど、生活の質に大きな影響を及ぼすことが知られています。
では、なぜ便秘になるのでしょうか?
様々な原因が考えられます。
☑身体活動や食事量の減少
☑水分や繊維成分の少ない食事
☑腸管の蠕動運動の加齢に伴う低下
☑排便に関する筋力の低下
☑便秘を起こすようなお薬の内服
すなわち、生活習慣が最も大事ということになります。
また最近では腸内細菌も重要な役割を担う可能性が指摘されています。
腸内細菌叢(腸内フローラ)も加齢とともに変化するといわれていますが、食事内容の変化や生活環境、そして抗菌薬の使用などが関係しています。
では、便秘を改善するにはどうすればよいでしょうか?
まずは排便に関する考え方です。
毎日1回は排便しないといけないと思っている方が多いかもしれませんが、それは誤りです。2~3日に1回でも規則正しい排便があれば、それば便秘とはいいません。
次に身体活動と食事です。
できるだけ体を動かすことが重要です。また、食事に関しては、繊維成分の多い食事を心がけた方がよいでしょう。腸内細菌に関連して、最近ではビフィズス菌などのプロバイオティクスによる効果も期待されているようです。
正しい知識を元に”腸活”に努めて、健康長寿を目指してください。
文・監修:荒井 秀文・監修:荒井 秀典
<略歴>国立長寿医療研究センター 理事長。日本老年学会 理事長。日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事。J-MINT研究代表を務める。
著書/『フレイルのみかた』中外医学社出版、『40歳からの健康年表 (文春新書)』文藝春秋出版、『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方 かんたん体操&栄養知識でいつまでも歩けるカラダに!』河出書房新社出版 など他多数
■注意点■
☑本企画は、専門家の監修のもと編集をしていますが、実践して体調悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。
☑このコーナーでご紹介するのは、あくまでセルフチェックです。痛みや違和感がある場合は、自己判断せずお近くの専門医にご相談ください。
※弊社から荒井秀典先生に依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。
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