フレイルの専門家によるフレイル予防コラム#008

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健康長寿応援コラム、フレイル対策 ついでにはじめる新習慣

地球の温暖化が進んでいるといわれておりますが、2024年の夏は本当に酷暑でした。温暖化により、同時に洪水などによる自然災害も増えているように思いますが、福岡県の太宰府市では40日連続で猛暑日を記録しました。猛暑の影響で東京では252人の方が熱中症などで亡くなったといわれており、そのほとんどが高齢者です。

熱中症対策には、エアコンを適切に使用することがまずは第一歩ですが、年齢とともに暑さに鈍感になってしまうため、暑さを感じずにエアコンをつけずに過ごす方も多いと考えられます。

特に独り暮らしの高齢者では適切な水分摂取とともに室温を適正に維持することが基本的な熱中症対策となります。

また、暑さが続くと外出の機会が減り、自宅で過ごすことが多くなってしまうのも問題です。
そのため、フレイルになってしまう可能性があります。空調が効いたショッピングセンターなどで買い物をしながら、体を動かすことを習慣にすることも重要だと思います。

では、どのような方が熱中症になりやすいのでしょうか?
特に注意が必要な方は次の条件です。
☑高齢者(65歳以上)
☑基礎疾患を持っている
☑多くのお薬を服用している
☑フレイル、サルコペニアなどを合併している

かかりつけ医と相談して、利尿薬などは脱水につながる可能性もありますので、夏場に減らせるお薬があるかどうか、尋ねてみることも重要です。
また、家の中でエアコンを効かせながら、有酸素運動や筋トレをする習慣をつけることが重要です。また、涼しいところから急に暑いところに出るような、急激な温度変化も体調変化を起こす可能性がありますので、注意しましょう。

今からの季節、熱中症にも要注意です。
軽い症状なら日陰に入る、涼しい場所で横になる、塩水を飲む(経口補水液ならなおよし)などありますが、さらに違和感が進んだ時には迷わず病院への相談・搬送をご判断ください。

熱中症セルフチェック

■軽症
☑手足がしびれる
☑めまいや立ちくらみがある
☑筋肉のこむら返りがある
☑気分がなんとなくモヤモヤしてぼーっとする
☑意識ははっきりしている
■中等症
☑頭がガンガン痛い
☑吐き気がしたり嘔吐がある
☑倦怠感がある
☑意識になんとなく違和感がある
重症
☑身体が熱い
☑意識がない
☑呼びかけに対する返事がおかしい
☑痙攣のような症状がある
☑真っすぐ歩けない

文・監修:荒井 秀文・監修:荒井 秀典

国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典(Hidenori Arai)

<略歴>国立長寿医療研究センター 理事長。日本老年学会 理事長。日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事。J-MINT研究代表を務める。
著書/『フレイルのみかた』中外医学社出版、『40歳からの健康年表 (文春新書)』文藝春秋出版、『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方 かんたん体操&栄養知識でいつまでも歩けるカラダに!』河出書房新社出版 など他多数


■注意点■
☑本企画は、専門家の監修のもと編集をしていますが、実践して体調悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。
☑このコーナーでご紹介するのは、あくまでセルフチェックです。痛みや違和感がある場合は、自己判断せずお近くの専門医にご相談ください。

※弊社から荒井秀典先生に依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。
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