どうせ長生きするなら健康に好きなコトができる身体でいたい。この思いを叶えるキーワードは「フレイル対策」です。
「誰もがより長く元気に活躍できる社会の実現」のための3本柱の一つとして、2019年に国が策定した「健康寿命延伸プラン」。これを達成する取り組みの1つとして「介護予防・フレイル対策、認知症予防」を掲げています。
この「フレイル対策」について、専門家である荒井先生にアトランダムのためだけにコラムを執筆いただきました。
みなさまの健康寿命の延命ヒントになることを願って。
皆さん、“フレイル”という言葉を聞いたことがありますか?
フレイルは高齢者の保健、診療、ケアといった現場で非常に重要なキーワードになっています。フレイルという状態は病気ではありません。フレイルは要介護になる前の状態です。
人は皆、年齢とともに起こる身体的、精神的機能低下により、虚弱になっていきます。
たとえば骨折や肺炎で入院した際に、病気の治療が上手くいったにもかかわらず、回復が遅れ、入院中に感染症や転倒などのイベントが起こりやすく、そのまま介護施設に行かなければならないくらいに生活機能が低下している状態と考えればいいでしょう。
また、社会的な孤立など社会的な要因も関係し、孤立が身体機能や精神機能にも悪影響を及ぼして、徐々に要介護状態に近づいていることが考えられます。
すなわちフレイルな状態になると要介護になりやすく、様々な合併症も起こりやすくなりますが、体だけではなく、社会的な要因も関係するということです。
しかし、適切な介入を行えば、元の健常な状態にも戻りうるという特徴もあり、決して悲観的になることはありません。誰しも年齢が高くなれば、フレイルになり得るのですが、若いときからフレイルにならないような適切な生活習慣を送れば、フレイルになりにくくなり、健康寿命を延伸することができます。
そのためのコツをしっかり理解して、いつまでも元気で長生きができるようがんばりましょう。
荒井 秀典
<略歴>国立長寿医療研究センター 理事長。日本老年学会 理事長。日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事。J-MINT研究代表を務める。
著書/『フレイルのみかた』中外医学社出版、『40歳からの健康年表 (文春新書)』文藝春秋出版、『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方 かんたん体操&栄養知識でいつまでも歩けるカラダに!』河出書房新社出版 など他多数
フレイル兆候確認
やってみよう!「イレブンチェック」
「いいえ」が多い方は要注意!
出典:東京大学高齢社会総合研究機構・飯島勝矢「フレイル予防ハンドブック」から引用
Lyu W, et al. Arch Gerontol Geriatr.2024
※弊社から荒井秀典先生に依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。
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