国立長寿医療研究センター 理事長 荒井秀典先生が執筆するフレイル予防コラム。
第6回は、お口の健康に着目いただきました。お口というと歯を思い浮かべますが、フレイルの観点からいくと「オーラルフレイル」といって、口に関する食べる・呼吸する・話すなどの動きに影響するささいな衰えを放置したり、適切な対応を行わないままに したりすることで、食べる・話すなどの機能低下、さらには心身の機能低下まで繫がる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らしています。
人と会話したり、ものを食べたり飲んだり、いつもなにげなく行っていることですが、老化とともに会話や食事に関わる機能が徐々に低下してきます。
急激な変化ならまだしも、徐々に起こってくる変化にはなかなか気がつきませんね。しかし、加齢とともに起こってくる些細な変化が積み重なることで、食事や人付き合いに影響が出るとすればどうでしょうか?
オーラルフレイルという言葉をご存じでしょうか?
「オーラル」は口腔、「フレイル」は虚弱を意味します。
加齢とともに起こる些細な変化を早期に見つけ、有効な対策をとることで健康な生活を続けましょう。
現在オーラルフレイルのチェック項目は5つです。
1.歯の数が20本未満。
2.半年前に比べて固いものが食べにくくなりましたか?
3.お茶や汁物でむせますか?
4.口の渇きが気になりますか?
5.普段の会話ではっきり言葉を発音できないことがありますか?
これらの中で2つ以上引っかかる場合にオーラルフレイルと考えられますので、かかりつけの歯科医師にご相談ください。
では、オーラルフレイルにならないためには?
日常の歯磨き、定期的な歯科受診に加えて、カラオケや会話など、意識的に発声することは重要です。
楽しみながら声をしっかり出す歌を歌うという行為はオーラルフレイル予防として大変オススメです。仲間と集まって、会話しながら、カラオケを楽しむなどもよいと思います。昔の懐かしい歌を仲間と楽しむのもよし、新しい歌にチャレンジするのもよしです。
日常的に1人でもできるお口のトレーニングをご紹介します。
近年注目されているQOL(クオリティ・オブ・ライフ)、すなわち生活の質の低下を抑制するためにも、日常的な筋トレメニューに加えてください。
文・監修:荒井 秀文・監修:荒井 秀典
<略歴>国立長寿医療研究センター 理事長。日本老年学会 理事長。日本サルコペニア・フレイル学会 代表理事。J-MINT研究代表を務める。
著書/『フレイルのみかた』中外医学社出版、『40歳からの健康年表 (文春新書)』文藝春秋出版、『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方 かんたん体操&栄養知識でいつまでも歩けるカラダに!』河出書房新社出版 など他多数
■注意点■
☑本企画は、専門家の監修のもと編集をしていますが、実践して体調悪化する場合はすぐに中止して医師にご相談ください。
☑このコーナーでご紹介するのは、あくまでセルフチェックです。痛みや違和感がある場合は、自己判断せずお近くの専門医にご相談ください。
※弊社から荒井秀典先生に依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。
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